縮毛矯正や髪質改善メニューは、多くのお客様に求められるサービスですが、サロンに導入する際にはいくつかの課題や注意点があります。
ここでは、導入時に直面するハードルと、それを克服して成功に導くポイントを分かりやすく解説します。
施術技術と薬剤選定の難しさ
縮毛矯正や髪質改善は、高度な技術と正確な薬剤選定が求められる施術です。縮毛矯正や髪質改善は、繰り返しのカラーやブリーチを施している髪、他店での縮毛矯正の履歴がある髪など、デリケートな状態の髪に施術する場合、特に慎重さが求められます。
これらの髪はダメージを抱えやすく、施術の成功によってお客様に大変喜ばれる一方、失敗すると取り返しのつかない深刻なダメージを与えてしまい、トラブルにつながるリスクもあります。
施術では、毛髪診断をはじめ、薬剤選定、塗布量、放置時間、水洗方法、中間処理、乾かし方、アイロン温度、アイロン技法、2剤の種類など、すべての工程で正確な判断と調整が求められます。これらの要素が仕上がりに大きく影響を与えるため、経験やスキルが不足している人が施術を行うと、結果が安定せず、トラブルを招くことも少なくありません。
そのため、施術者の経験やスキルに依存せず、完全にマニュアル化されたシンプルで失敗しにくい技術を採用することが重要です。
導入コストと施術時間の課題
最近では、処理剤や薬剤の種類が非常に豊富で、新しい技術を導入しようとすると、サロンの薬品棚がいっぱいになってしまうことがあります。その結果、使い道がわからない薬剤が余ったり、在庫管理が煩雑になりがちです。
さらに、縮毛矯正や髪質改善となると、技術習得に時間がかかるうえ、クオリティの高い施術を目指そうとすると、手順が複雑で扱いにくいことも少なくありません。このような負担がサロン運営の課題になることも多いでしょう。
解決策:引き算の考え方
複雑な技術や多くのプロセスを追加するのではなく、「シンプルで誰でも習得しやすい技術」を導入することがポイントです。これにより、以下のメリットが得られます:
• 教育やトレーニングの時間・コストが削減される
• 施術時間が短縮され、サロンの回転率が向上する
• ミスや失敗のリスクが低減され、安定した結果を提供できる
来店周期の管理
複雑な技術や多くの薬品を使用する施術を選んでしまうと、手順や薬品の取り扱いを間違えたり、スタッフ間で伝達ミスが起きるリスクがあります。これによってお客様の髪を傷めてしまうと、美容師側にとっても負担が大きくなり、「なるべく避けたい施術」になってしまいます。
一方で、お客様も施術に対して不安を抱き、再施術をためらうようになり、来店周期が伸びてしまうこともあります。美容師もお客様も、根本から毛先まで艶やかでキレイな髪を求めているのに、技術が難しく成功率が低いと、「仕方なく」お互いに我慢を強いられる結果になりがちです。
その結果、サロンの来店頻度が低下し、売上が安定しない要因となってしまうのです。
ダメージが極めて少ないシンプルな技術を導入することで、以下のようなメリットがあります:
- 再来店周期の短縮
髪への負担が少ないため、お客様は癖毛やうねりを我慢せず、2〜3ヶ月に1回のペースで定期的に来店します。 - 安定した売上
来店頻度が高まることで、サロンの売上が安定します。
- 顧客満足度の向上
ダメージを気にせず施術を受けられることで、顧客体験が向上し、リピート率の増加に繋がります。
髪は1ヶ月に約1センチ伸びるため、根元の癖毛やうねりが目立つタイミングで適切な施術を行うことが重要です。定期的な来店を促せる技術は、サロンの収益安定に直結します。そのため、新しい技術を導入する際には、髪への負担が少ないか、来店周期を管理しやすいか、複雑ではないかという視点を持つことが大切です。
髪へのダメージを最小限に抑える技術は、お客様の「ずっと綺麗な髪を維持したい」というニーズに応えるだけでなく、サロンの安定した売上や顧客リピートの向上にも繋がります。新しい技術を導入する際は、この「来店周期管理」が可能かどうかを一つの判断基準として検討するべきです。