近年、「髪質改善縮毛矯正」や「髪質改善トリートメント」の需要が増える一方で、ハイダメージ毛に悩むお客様も急増しています。
本記事では、その背景と美容師として知っておくべきノウハウを、具体的な対策とともに解説します。
ハイダメージ毛が増えている理由とは?

ブリーチカラーの流行
ブリーチを使用した派手髪の流行により、従来のカラーリングによるものよりも深刻なダメージヘアが増えています。また目的の色を出すために髪の負担を考えない施術も多く、髪に深刻なダメージを与えるケースが増えています。
セルフカラーの普及
市販のカラー剤やブリーチ剤が手軽に購入できるようになり、自宅での施術が増加。正しい知識や手順を知らないまま使用することで、髪に深刻なダメージを与えるケースが増えています。
不適切な美容技術の横行
「髪質改善」と銘打ったメニューが増えていますが、薬剤選定や施術工程を誤ると、髪に取り返しのつかないダメージを与えることがあります。特に高アルカリや高温のアイロンを使いすぎた施術が原因となることが多いです。
ハイダメージ毛への正しいアプローチ方法

カウンセリングで原因を特定
お客様の髪の履歴(セルフケアの内容、過去の施術内容)を丁寧に聞き出し、ダメージの原因を正確に把握することが第一歩です。
薬剤選定の見直し
髪の状態に応じた薬剤の選定が鍵となります。特に、ハイダメージ毛には何が有効で、何がダメージを進行させてしまうのかをしっかりと理解して、的確な薬剤を選定するスキルが求められます。
施術工程を簡略化し負担を軽減
ダメージが進んでいる髪に対して、複雑な施術を行うのは禁物です。髪に与える負荷を最小限に抑えた無駄のない施術を心がけます。
お客様への提案と長期的なケア計画

サロンでの定期的なケアを提案
ハイダメージ毛のお客様には、縮毛矯正をかける頻度や、サロントリートメントを定期的に行う重要性を説明し、髪が綺麗になるまでの長期的なケアプランを提案しましょう。
ホームケア商品の正しい使用法を指導
お客様が日常的に行う髪質に適したシャンプーやトリートメント、ヘアオイルの使用方法や乾かし方などを具体的に伝えましょう。
「ダメージ回復」ではなく「もうダメージさせない縮毛矯正」を継続する
一度傷んでしまった部分はどんなことをしても再生はしません。すでに傷んでしまっている部分は補修と補強で現状を綺麗に見せ、劣化を食い止める事が最善策となります。ハイダメージ毛の劣化を抑え、傷んでいない部分を限りなく傷ませずに縮毛矯正で整えながら増やしていく、長期的なアプローチが必要であることをお客様に伝え、信頼を得ましょう。
美容師としての心得:ダメージ毛のトレンドを正しく理解する

「髪質改善」に惑わされない判断力を持つ
流行のメニューに乗るだけでなく、髪の状態を正確に診断し、適切な施術を選択するスキルが重要です。
最新技術と薬剤知識を常にアップデート
ハイダメージ毛のケアには正しい知識が欠かせません。トレンドに流されず本質を見極められるようにしましょう。
お客様の信頼を第一に考える
一時的な結果ではなく、長期的に美しい髪を目指す提案を行うことで、お客様との信頼関係が深まり、リピート率の向上に繋がります。
美容師ができるハイダメージ毛対策
ハイダメージ毛が増える背景には、セルフケアや不適切な施術の影響が大きく関わっています。美容師としての正しい知識と対応力を磨き、お客様の髪を健康に導く施術とケアプランを提供しましょう。
それが結果的に、お客様の信頼とサロンの評判向上に繋がります。